COLUMN
皆さんこんにちは。女性のための薄毛専門ヘアサロンのTELAS佐野です。
本日はコロナと薄毛の関係性について詳しくお話ししていきたいと思います。
コロナに関わらず体調不良になると髪にも影響が出ますが特に抜け毛の症状が女性に出やすいとされるコロナ...。
まずはどのように症状が出るかについて詳しくまとめてみました。
抜け毛の症状:頻度や出現時期
日本国内での調査によると(Miyazatoら, Open Forum Infectious Diseases, 2020)、新型コロナウイルス感染の後遺症としての抜け毛症状は感染者58名のうち14人の24%に認めており、比較的頻度の高い症状と考えられています。
さらに、同じ調査では新型コロナウイルス感染の症状が現れてから平均58.6日(約2ヶ月)で抜け毛の症状が出現し、症状の回復までにはさらに平均76.4日(約2〜3ヶ月)かかったということがわかっています。
海外の報告でも、新型コロナウイルス感染の発症から3〜7ヶ月後に症状が出ることが多いようです(Mieczkowskaら, Int J Dermatol. 2021)。
後遺症としての抜け毛症状は、新型コロナウイルス感染の重症度とは関係がなく、軽症でも起こる可能性があるので注意が必要です。
ただし、東京都の後遺症対策チームにおいて、「コロナ後遺症相談窓口」相談データをもとに、新型コロナウイルスの中でもオミクロン株と見込まれる感染者の後遺症について分析したデータによると、脱毛を認める割合は0.8%のみであり、デルタ株の頃(9.4%)と比較すると大きく減少していることがわかっています。
抜け毛のタイプ
一般的に抜け毛を起こす原因は、大きく以下の2つが考えられています。
新型コロナウイルス感染の後遺症としての抜け毛は、2つ目に説明する毛の生え変わり周期が乱れることが原因で生じます。脱毛症のタイプによって、その後の治療や対応が異なってくるため、詳細な問診や診察で正確に診断を行うことが重要です。
⭐︎免疫細胞による自己免疫反応
髪の毛をはじめとする体中の毛は、皮膚の中に埋め込まれた小さな筒状の構造物である「毛包(もうほう)」で作られます。毛包の根元には、「毛母細胞(もうぼさいぼう)」と呼ばれる毛のもとになる細胞があり、細胞分裂を繰り返して増えることで毛が伸びていきます。
以前は、円形脱毛症はストレスが原因といわれてきましたが、最近の研究によって自分自身の免疫細胞が自分の「毛包」を誤って外敵と認識して壊してしまうことが原因で(自己免疫反応)、毛が抜けていくことがわかっています。
抗がん剤などの薬剤で起こる抜け毛は、薬剤が毛を作る細胞の活動を抑えてしまうことで、毛が減っていきます。
⭐︎毛の生え変わり周期が乱れる
髪の毛は「毛包」で作られますが、活発に毛を作り続けることができる「成長期」は約2〜6年で、その後毛が細くなり脱毛の準備をする「退行期」(約2週間)、脱毛して成長期に入る準備をする「休止期」を経て(約3ヶ月)、再び「成長期」に戻り、再び毛を作り出します。この「成長期→退行期→休止期→成長期」を繰り返すサイクルを「毛周期(ヘアサイクル)」と呼びます。「毛周期」に従って、毛は数年のサイクルで生え変わっており、通常でも1日100本程度の毛が抜けているといわれています。
女性型脱毛症では、女性ホルモンのバランスの乱れ、鉄の欠乏、出産や急激なダイエットのストレスによって、毛が生え変わるサイクルが乱れて薄毛になります。
新型コロナウイルス感染の後遺症としての抜け毛は、感染による身体的・精神的なストレスで毛を活発に作る「成長期」が急に止まり、一斉に「休止期」に入ることで毛が抜けてしまう「休止期脱毛症」が大きな原因と考えられています。
実際に、新型コロナウイルス感染に関連したさまざまな脱毛症患者1,826名(平均年齢54.5歳、男性54.3%)を対象としたシステマティック・レビューでは、最も一般的な脱毛症のタイプは、AGA(30.7%、男性86.4%)、休止期脱毛症(19.8%、男性19.3%)、円形脱毛症(7.8%、男性40.0%)でしたが、このうち休止期脱毛症は93.6%の症例で新型コロナウイルス感染を契機に新しく発症していました。
また新型コロナウイルス感染症以外の手術後に、甲状腺機能障害などで見られる抜け毛症状もこの「休止期脱毛症」が原因と考えられています。
抜け毛への対処法について
新型コロナウイルス感染後に抜け毛の症状を認めた場合、まず皮膚科を受診して抜け毛がどのタイプであるかを診断して、原因に対応した処置を行う必要があります。
新型コロナウイルス感染の後遺症による「休止期脱毛症」と診断された場合、現時点では特別な治療法がないため、基本的には自然治癒を期待して経過観察を行います。
多くの場合で、4〜5ヶ月で改善するといわれていますが、必要に応じて男性型脱毛症や女性型脱毛症で用いられるミノキシジルの外用や、女性型脱毛症にはビタミンB群やL-シスチン、D-パントテン酸カルシウムなどの発毛を促す成分を含んだパントガールの内服を行うこともあります。
最近、コロナ後遺症外来で漢方薬による治療を行う施設も増えてきており、脱毛に関する有効性も報告されてきています
新型コロナウイルス感染に伴う後遺症はさまざまな症状を引き起こしますが、そのなかでも抜け毛は約20%と比較的頻度の高い症状です。
新型コロナウイルス感染症の身体的・精神的ストレスにより、毛の生え変わる周期が乱れることで起こる「休止期脱毛症」が大きな原因として考えられています。
現時点では特別な治療法はありませんが、漢方薬治療に期待が寄せられています。対応が異なる男性型脱毛症や円形脱毛症の可能性がないか判断する必要があるため、新型コロナウイルス感染後に抜け毛の症状を認めた場合は、まずは皮膚科を受診して診察を受けてみてもいいかもしれません。
是非ご参考になさってくださいね!
--------------------------------------------------------
【TELAS渋谷】
営業時間 平日 11:00~20:00
土日祝 10:00~19:00
定休日 毎週月・火曜日
東京都渋谷区神南1-9-11 インタービル3階
TEL 03-6455-3626
ご予約はこちら☞https://telas.bionly.net/
【TELAS大阪】
営業時間 平日 11:00~20:00
土日祝 10:00~19:00
定休日 毎週月・火曜日
大阪府中央区博労町4-6-17 第三丸米ビル1階A店舗
TEL 06-6786-8772
ご予約はこちら☞https://osakatelas.bionly.net